東証REIT Core指数とは

東証REIT Core指数は、東京証券取引所に上場しているREITの中から、時価総額や売買代金の大きいものが選定されて計算される指数です。 分散が効いており、配当利回りも東証REIT指数を若干上回ると想定されます。
◆東証REIT Core指数
REITは、投資家が不動産を直接保有しないでも、不動産投資ができる金融商品です。
取引所に上場しているREITもあり、J-REITとも呼ばれます。
東証REIT Core指数は、時価総額や売買代金の大きいJ-REITが選定されて計算される指数です。
REITについてはこちらのコラムもご覧ください。
東証REIT ETF
東証には57銘柄のREITが上場しています。東証REIT Core指数はそのうち30銘柄で算出されます(2025年3月31日現在)。
東証REIT Core指数 | 東証REIT指数 | |
銘柄数 | 30 | 57 |
選定基準 | 浮動株時価総額及び売買代金 | 東証上場全銘柄 |
加重方式 | 均等加重 | 浮動株調整後時価総額加重 |
時点:2025年3月31日、出所:東京証券取引所 ファクトシート |
◆東証REIT Core指数の銘柄の選び方
東証REIT Core指数の銘柄の選び方は特殊です。
1. 流動性スクリーニング
直近1年間の売買代金について、上位97%以内の銘柄を選定候補とする。
2. 浮動株時価総額による銘柄の選定
A)初回(2017年6月):
選定候補のうち、「累積時価総額」が上位80%の銘柄を選定。 「累積時価総額」は聞きなれない言葉です。 下表を使って説明します。
時価総額 | 比率 | 累積時価総額 | 比率 | |
Aリート | 40 | 40% | 40 | 40% |
Bリート | 30 | 30% | 70 | 70% |
Cリート | 10 | 10% | 80 | 80% |
Dリート | 8 | 8% | 88 | 88% |
Eリート | 7 | 7% | 95 | 95% |
Fリート | 5 | 5% | 100 | 100% |
計 | 100 |
左側は一般的な時価総額比率の考え方です。各銘柄の比率は、時価総額の合計で割って計算します。 右側が累積時価総額です。例えばCリートであれば、それより上位のAリートとBリートを合計した80(40+30+10)が累積時価総額となります。
東証REIT Core指数の初回選定「選定候補のうち、累積時価総額が上位80%の銘柄を選定」に当てはめると、累積時価総額が80%以内のA、B、Cリートが対象となります。このように、上から累積時価総額が80%に達するまでの銘柄を選定していきます。
B)定期入替
①現在の構成銘柄について:
「現在の構成銘柄」とは、既に東証REIT Core指数に選定されている銘柄のことです。この場合、累積時価総額が90%以内であれば残留します。
上表の場合、D、Eリートが現在の構成銘柄であった場合、Dリートは累積時価総額90%以内なので残留、Eリートは累積時価総額90%超なので除外されることとなります。
②新規銘柄について:
累積時価総額が上位70%以内の銘柄を新規採用します。そのため、新規選定のハードルは高く、CリートがIPOした場合、累積時価総額では70%超のため指数に新規採用はされません。同条件でBリートであれば、累積時価総額70%以内であるため、指数に採用されます。
このように、東証REIT Core指数は、一度指数に構成銘柄として採用されれば除外はされにくいものの、新規採用もされにくく、銘柄入替の頻度が低い指数といえます。
構成銘柄について
東証REIT指数が57銘柄で構成されるのと比べ、東証REIT Core指数は30銘柄と少ないです(2025年3月31日現在)。しかし、均等加重であるため、全銘柄が4%弱の比率となり、構成銘柄間での分散が効いています。
東証REIT Core指数と東証REIT指数の上位5銘柄の比較が下表です。
東証REITCore指数 | 東証REIT指数 | ||
NTT都市開発リート | 3.82% | 日本ビルファンド | 7.59% |
積水ハウス・リート | 3.56% | ジャパンリアルエステイト | 5.63% |
ジャパンエクセレント | 3.55% | 日本都市ファンド | 5.07% |
ユナイテッド・アーバン | 3.55% | 野村不動産マスターファンド | 4.64% |
ヒューリックリート | 3.52% | KDX | 4.23% |
時点:2025年3月31日、出所:東京証券取引所 ファクトシート
東証REIT指数は上位2銘柄で13%超と、日本ビルファンドとジャパンリアルエステイトの影響が大きい指数です。一方で、東証REIT Core指数の上位5銘柄をみるとNTT都市開発リートが3.82%で、あとの4銘柄は約3.5%と比率は大きくありません。
なお、両指数の最新のファクトシートが2025年3月31日時点のものであるため、少し前の情報となっております。
東証REIT Core指数の特徴
東証REIT指数との比較した、東証REIT Core指数の特徴のまとめです。
①配当利回りが若干高い
日本ビルファンドの分配金利回りは約3.6%、ジャパンリアルエステイトの分配金利回りは約4.3%と、比較的低水準です。東証REIT指数では、この2銘柄で13%超を占めますが、東証REIT Core指数上位にありません。
その結果、東証REIT Core指数の配当利回りが若干上回る可能性が高いです。
②銘柄が分散している
東証REIT Core指数は均等加重で計算される指数であるため、時価総額が大きくない銘柄もパフォーマンスに一定の貢献があります。
東証REIT指数は東証に上場する全J-REITを組入れていますが、組入れ比率上位10位の銘柄で構成比率の約5割を占めます。これに対して、東証REIT Core指数の銘柄数は30に限られますが、どの銘柄も4%弱の構成比であり、東証REIT指数に比べて、構成銘柄間での分散が効いています。
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