VIX先物とは

VIX先物は先物取引の一種です。そのため、先物の特徴を理解しないと、VIX先物の動きにも理解できないことがでてきます。
先物取引とは
先物取引とは
1.将来の予め定められた期日に
2.特定の商品(原資産)を
3.現時点で取り決めた価格
で売買する事を約束する取引です。
現時点で取り決めた価格が先物の価格となります。
例えば、今、「2025年1月22日が期限のVIX先物」が19.55ポイントで取引されている場合、2025年1月22日(将来の予め定められた期日)に、VIX指数(特定の商品(原資産))を19.55ポイント(現時点で取り決めた価格)で売買することを意味します。
先物には取引最終日があり、期限(限月)の異なる先物が多数あります
VIX先物の取引は、1ヵ月後のVIX指数ポイント、2ヵ月後のVIX指数ポイント、・・・12ヵ月後のVIX指数ポイントというように、将来のVIX指数のポイントに対する市場の予想が織り込まれた価格で取引されています。1ヵ月後のVIX指数の予想が織り込まれた先物を第1限月、2ヵ月後のそれを第2限月・・・と言います。
1ヵ月先の先物はこの1ヵ月を過ぎてしまうと、それ以上取引は出来なくなり、清算が必要となります。その代わり、これまで2ヵ月後の先物であったものが、1ヵ月の時間経過により1ヵ月先の先物になります。

VIX先物の限月別に価格差があります
VIX先物は第1限月(1ヵ月後に清算を迎える先物)と第2限月(2ヵ月後に清算を迎える先物)との間には価格差があります。
現在より将来のVIX指数が上昇すると市場が見込んでいる場合には、より将来の先物の価格が高い状態(コンタンゴ)となります。
逆に現在より将来のVIX指数が下落すると市場が見込んでいる場合には、より将来の先物の価格が低い状態(バックワーデーション)となります。
第1限月 | 19.60 |
第2限月 | 19.65 |
第3限月 | 19.73 |
第4限月 | 19.75 |
VIX先物の価格は下記のURLから確認することができます。
https://www.cboe.com/tradable_products/vix/2025年1月14日時点の市場のコンセンサスは、現在より将来のVIX先物価格が高い状態にあることがわかります。
なお、このコンタンゴ、バックワーデーションはVIX先物に限らず、全ての先物で発生する現象です。
VIX先物の限月間価格差は市場環境により変動しますが、多くの場合はコンタンゴです
VIX先物は多くの場合、将来のVIX先物の価格のほうが現在よりも高い状態にあります。
理由はVIX先物の原資産であるVIX指数の性質にあります。VIX指数は、S&P500指数が30日間にどれだけ変動すると投資家が考えているかを瞬時に測定する指数です。
投資家が「市場はこの先堅調に推移するだろう。見通しは良好だ。」と思えばVIX指数は低下します。
反対に、投資家が市場に対して「お先真っ暗だ。どうなるか皆目見当もつかない」と思えば、VIX指数は上昇します。
平常時において、投資家は、近い将来より遠い将来をより不確実だと考えるので、期限がより将来のVIX先物の価格が高く推移します。
一方で、金融危機のような事態が発生すると投資家はパニックになり、将来よりも今が不確実だと考えるでしょう。その場合はより近い期限のVIX先物の価格が高くなります。
例として2020年のVIX先物の限月間の価格差を見てみましょう(下図)。
コロナウイルスによる世界的パンデミックで世界経済が一時的に機能不全になった期間は第1限月の価格(期限が近い先物価格)が高かったことがわかります。
その後FRBが政策金利を実質ゼロにしたり、量的緩和策等を打ち出し経済を支えること宣言し、市場の秩序が徐々に回復してくると、また第2限月の価格(期限が遠い先物価格)が高くなりました。
VIX短期先物指数ETF(318A)の対象指標はVIX先物価格ではありません
弊社はVIX短期先物指数ETF(318A)を運用しています。
VIX短期先物指数ETF(318A)は、基準価額の変動率を円換算したS&P 500 VIX短期先物指数超過リターンの変動率と一致することを目指して運用します。
VIX短期先物指数ETF(318A)の対象指標はS&P 500 VIX短期先物指数超過リターンであり、VIX先物価格ではありません。
VIX短期先物指数ETF(318A)に投資してもVIX先物と同じ成果は得られません。
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